帯磁率は岩石や堆積物の基本的な物理量の一つであり, しかも, 室内・室外において簡単に測定することができる. このような帯磁率の特徴を生かして, 応用地質の調査に様々に利用することができる. 例えば, 帯磁率の相違による岩石の識別や成因・帰属の推定, 探鉱, ボーリングコアの特徴の迅速な把握, 帯磁率変化による岩盤の物性や変質の評価, 地すべり堆積物の吟味, 流域ごとの山地浸食速度の推定, 肉眼では識別することのできないテフラの検出, 河川堆積物の特徴付け, 帯磁率と汚染物質等との相関に着目した環境地質・環境変遷への応用, 砂や泥の出所に関連した考古学研究や犯罪・事故捜査への応用等がある.
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