コンクリート
斜張橋
は, 耐風安定性, 活荷重によるたわみ, 耐久性あるいは経済性等, 鋼
斜張橋
に対して数々の利点を持っている。にもかかわらず鋼
斜張橋
に比べてその施工実績が少ないのは, コンクリート部材と鋼部材の複合構造であるから, コンクリートのクリープによって構造系各部の断面力が大きく変動するという厄介な性質があり, この評価とコントロールが設計上重要な問題であること, コンクリート長大橋に共通の問題, すなわち施工段階を通して構造各部の応力に変化が生じ, この変化量の累積によって完成構造系の応力状態が決まるため, 施工中のクリープによる断面力の変動をも含めた応力解析によって, 施工手順を定める必要がある等, 設計, 施工に際しその都度面倒な問題を解決しなければならなかったからであると思われる。
本稿では, このようなコンクリート
斜張橋
に共通した特有の問題とその解決策の現況を紹介する。
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