東京でヒートアイランド現象によって真夏日と熱帯夜が増加してきている事がこれまでに数多く報告されている.また,過去100年の間に平均気温が3℃上昇している.これらの問題に対し,都市内土地被覆と気温上昇の関係を分析するために高分解能衛星リモートセンシングはほとんど利用されていない.本検討では,従来から地表面温度を観測してきているLANDSAT衛星画像と高分解能衛星Worldview-3画像を重ね合わせる事により,従来の地表面温度分布画像では解釈が困難であった都心域の詳細な土地被覆と地表面温度分布の関連性が効果的に表示された.更にLANDSAT衛星観測による地表面温度が現地調査から検証された.これらの結果から,地表面温度の分布と都市の土地被覆環境の関係について考察され,特に植生域や影域が地表面温度低下に影響を与えている事が確認できた.
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