昨年(1991)年、和歌山市では2つの国際会議が開催された。どちらも地域開発、地域づくりを主題とするものであったが、1つは民間主導のもの、1つは官主導のもので、国際会議の形態・運営には、両者の間にかなりの差がみられた。当然、その成果にも差異が生じている。筆者はこの2つの国際会議とも、準備段階から関わってきた。また国際会議そのものにも、アシスタントコーディネーター、パネラーとして参加するとともに、これらの会議が終了した後も、その成果を地域に還元するための活動組織に加わる等、前後を通じて2つの国際会議の経緯、全体像をよく知りうる立場にある。そこで本稿では、国際会議の内容よりも国際会議の運営等を通して両者の比較を行ない、今後の地方都市における国際会議開催のあり方等についての示唆を得ることを目的としたい。
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