本作品論文は数千件のアイコンデータを管理するアイコンデータベースシステムである。「コミュニティの中に入っていき、現場で必要とされるアプリケーションを現場でつくる」という視点から実践したデザインプロジェクトの成果の1つである。デザイン事務所S社をフィールドに、アイコン制作の仕事の流れを観察する中でアイデアを着想し、アイコンデータベースシステムのデザインをはじめた。はじめはアイコンを一覧するために試作したアプリケーションだったが、現場の中で使われる中で進捗管理のための道具として使われはじめた。アイコン制作の仕事が進んでいくと、次に特定のアイコンを比較し、仕上げの確認をするための道具として使われはじめた。プロトタイプが現場で使われ続ける中で少しづつ機能を増やし、役割を変えていったデザインプロセスが特徴である。本作品は現場が必要とする機能を過不足なく備えた道具が形作られていくデザインプロセスを示す。
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