解離性大動脈瘤80例について,5年間の予後を検討した。(1)急性解離性大動脈瘤の生存率は発症後2週間50%,6ケ月44%,1年42%,3年32%,5年15%であった。発症早期の生存率が急速に低下する時相とその後の緩徐に低下する2つの時相に分けられた。(2)慢性解離性大動脈瘤では,AAEを合併する症例の予後は,合併のない症例に比べ明らかに予後が悪く,その臨床像も全く異なっていた。(3)AAEを合併しない慢性解離性大動脈瘤の予後は6ケ月78%,1年69%,3年44%,5年20%で,男性より女性の予後が悪い傾向を示した。
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