高齢者の咀嚼能力を評価する方法として脳総動脈血流量・速度と心拍数やエネルギー消費量・呼吸比, 体熱産生と体熱放散などのパラメーターから検討した. この結果, すべてのパラメーターから, 硬い米飯食を咀嚼した方が軟らかい米飯より, 高いレベルを維持していた. これは食べものをよく噛むことによって, 顎の運動が心拍数を高めることになり, 唾液中の分解酵素の作用を受けて糖質からエネルギーへの転換が生じたことが考えられた. また, 交換神経が刺激されたことにより, エネルギー消費量が高く維持され, 熱産生が高まり, 脳総動脈血流量が上昇することは脳における広範囲の領域が活性化されることが推測された
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