本研究では、大分県日田市内を流れる三隈川をケーススタディとして、河川標識改善に向けたデザイン計画を実施した。河川空間に設置される河川標識は、行政や河川管理者、地域住民団体等によりそれぞれに設置されるため、統一性がなく、標識が乱立する傾向にある。そこで本プロジェクトでは、河川管理者を事務局に行政や住民の代表者らと河川標識に関しての検討を行う協議会を設立し、標識の設置位置や掲載内容等について検討を重ね、河川名標識、規制標識、案内標識等の設置を行った。本稿には住民らとの協議に際しての留意点や、事務局およびデザイン担当者として把握しておくべき事項等についてまとめた。また、河川標識改善に向けた標識のデザイン意図等についても述べ、将来の計画に役立てるために今回のプロジェクトから得られた課題を整理した。
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