国立印刷局は日本銀行券や旅券といった様々な印刷製品の製造を行っており,それらは公的価値の高さからしばしば偽変造の対象となってきた.一方で,最近では民間の製品においても,価値観の多様化によって高い付加価値が付き,様々な分野の製品が偽変造の対象となっている.印刷製品に注目してみると,デジタル印刷機の高機能化が複製手段となり,偽造防止技術の施されていない製品が海賊版の脅威にさらされるようになった.本報告では,印刷製品の海賊版を取り上げるとともに,国立印刷局の提唱するセキュリティ・イメージバリアブル(SIV)という概念が海賊版対策にどのような寄与ができるか考察した.
抄録全体を表示