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クエリ検索: "朋優学院高等学校"
2件中 1-2の結果を表示しています
  • ― 東京都日野市を事例として ―
    成宮 博之, 中山 大地, 松山 洋
    水文・水資源学会誌
    2009年 22 巻 3 号 223-234
    発行日: 2009/05/05
    公開日: 2009/06/08
    ジャーナル フリー
    東京都日野市で継続的に調査が行なわれている8地点の湧水のうち,2地点では水温の季節変化が大きい.日野市には温泉はなく,水温の季節変化が地中伝導熱によって生じることを考えると,これら2地点の湧水は,恒温層よりも浅いところを流れる地下水によって涵養されていなければならない.つまり,これら2地点では,地上に達した降水が速やかに浸透・湧出することが期待される.
    このことを確認するために,降水にはほとんど含まれないSiO2濃度に着目して湧水の調査・分析を行なった.日野市に最も近いAMeDAS八王子の年降水量(1,572 mm)の約1割を超える連続雨量が観測された事例は2006年9月~2007年10月に4回あり,上述した2地点の湧水では,豪雨後のSiO2濃度の平均値は,晴天時(11回)の平均値よりも統計的に有意に小さかった.一方,残り6地点の湧水では,豪雨後と晴天時のSiO2濃度の平均値の差は統計的に有意でなく,湧水温の季節変化も小さかった.すなわち,同じ日野市内の湧水であっても涵養・湧出機構が異なる可能性が示唆される.
    日野市が調査を行なった1990~2005年のデータでは水温の季節変化が小さかったにも関わらず,筆者たちが調査を行なった2006~2007年には水温の季節変化が大きくなっている湧水があることが,判別分析によって明らかになった.すなわち,環境の変化に伴って性質が変わりつつある湧水があることが,本研究によって示された.
  • -氷川神社(品川区)を事例に-
    松山 洋, 成宮 博之
    水文・水資源学会誌
    2025年 38 巻 2 号 141-152
    発行日: 2025/05/05
    公開日: 2025/06/25
    ジャーナル 認証あり

     東京では,長期的に気温の上昇と相対湿度の低下がみられ,2010年代後半以降,一時的に枯渇した湧水のあることが報告されている.筆者たちが2005年以降観測を続けてきた東京都内の湧水のうち,氷川神社(品川区)でも2010年代後半以降,冬季(渇水期)の枯渇が頻発している.そこで本研究では,1972年4月~2023年12月における気象庁の地上気象観測地点「東京」の日降水量とポテンシャル蒸発量を入力とし,3段直列タンクモデルを用いて地下水流出量を計算した.2017年,2019年,2021年,2023年冬季といった氷川神社の湧水が枯渇した年は,地下水流出量の少ない時期に相当していた.1973~2023年では,2月のポテンシャル蒸発量に増加傾向がみられたものの(p < 0.05),同期間における1~3月の降水量と流出量には,危険率5%で有意な長期変化傾向はみられなかった.そのため,2010年代後半~2020年代前半には,1~3月の流出量が少なくなることが頻発したことにより,氷川神社の湧水が枯渇したと考えられる.すなわち,この現象は気候の長期変化傾向というよりは,年々変動という視点から捉えるべきである.

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