【目的】近年, 大学生の生活環境はますます多様化し, 居住形態や食事内容も大きく変化している. これまで様々な研究で居住形態と食物摂取状況との関連性が調査されているが, 研究間で結果の不一致がみられる. 本研究では, メタアナリシスの手法により, エネルギー, 栄養素摂取量, および食品群別摂取量が下宿生と自宅生の間で異なるかどうか調査した. 【方法】文献の検索には, Google Scholar, CiNii, 医中誌webを使用し, 2023年11月までに発表された関連研究を対象とした. スクリーニングの結果, 1,322人の被験者を対象とした10件の観察研究をメタアナリシスのリストとした. 【結果】変量効果モデルの分析により, エネルギー (MD=-241.19, 95%CI -337.42 to -144.97, p<0.00001, I2=74%), たんぱく質 (MD=-9.42, 95%CI -13.12 to -5.72, p<0.00001, I2=73%), 脂質 (MD=-8.19, 95%CI -11.86 to -4.52, p<0.0001, I2=69%), 及び炭水化物 (MD=-17.34, 95%CI -31.43 to -3.25, p=0.02, I2=79%) の摂取量は, 自宅生と比較して下宿生で有意に低い値が示された. 【結論】本研究の結果より, 居住形態は大学生及び短期大学生の習慣的な食事摂取に大きな影響を及ぼすことが示唆された. しかしながら, 査読付きの論文やコホート研究での報告が少ないため, これらの結果は慎重に解釈する必要がある.
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