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クエリ検索: "本田もも"
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  • 野村 廣之
    北里大学一般教育紀要
    2013年 18 巻 51-76
    発行日: 2013/03/31
    公開日: 2017/09/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
     本論文の目的は、村上春樹の長編小説『ねじまき鳥クロニクル』第 1 部・第 2 部における⌈マクガフィン⌋的要素を抽出してその機能を分析し、作者村上春樹の作品執筆上の意図を明らかにした上で、この長編小説の作品解釈を行うことにある。この長編小説の第 1 部・第 2 部は、現在失業中の30 歳の語り手が、妻の不倫と失踪という予期せぬ事態に直面し、水の涸れた井戸の底におりて、妻と自分自身の過去から現在に至る関わりを思い返しつつ、自分の「意識の中核」に到達し、そこで妻が失踪した真の理由を探り当てようとする必死の試みを描き出したものである。その際、ストーリィを展開させて行くための口実としていくつかの⌈マクガフィン⌋的な要素が取り入れられている。しかし、そのような「意識の中核」とは結局のところ語り得ないものであり、この長編小説の第 1 部・第 2 部は結局のところ語り手の妻が失踪した真の理由が何であるのかを十分に提示できないままに終わる、というのが本論文の結論である。そうした解釈を行う前に、本論文はまず⌈マクガフィン ⌋ とは何かを説明し、さらに『ねじまき鳥クロニクル』の成立事情を解説する。
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