土壌や腐葉土を一切使用しないで,種々の形状の多孔質セラミックボードに根系を密着させ約50種の植物を栽培したところ,ごく僅かの量の養水分で生育が可能であることが分かった。一方,ハウス内においてセラミックボードを石礫,砂および山土中に埋設し,定水位給水法により緑化試験を行った。試験用植物はサザンカ,カナメモチ,アベリア,シラカシ等の木本類のほか,ヨモギ,スイバ,セイヨウカラシナ等の草本類を用いたが,いずれも生育は順調であった。中でも石礫区の生育の優れていることが注目される。以上の結果から,乾燥地,人工基盤等,植物の生育条件の厳しい場所での緑化に応用できる可能性が示唆された。
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