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クエリ検索: "李敬宰"
2件中 1-2の結果を表示しています
  • ――カウンター活動に加わる「在日」帰化者/ダブルへの聞き取り調査から――
    松岡 瑛理
    ソシオロジ
    2016年 60 巻 3 号 59-76
    発行日: 2016/02/01
    公開日: 2020/06/20
    ジャーナル フリー

    本稿の目的は二〇一三年以降、在日韓国・朝鮮人へと向けられるヘイトスピーチに対抗して起こった「カウンター」と呼ばれる抗議活動のなかの帰化者(日本国籍を取得した元在日)やダブル(日本人と在日を両親に持つ人々)が運動参加へと至った回路を提示することだ。 在日韓国・朝鮮人の反差別運動はこれまで国籍や氏名などの民族的要素を持った参加者が、日本社会から押しつけられる否定的イメージを肯定的イメージへと政治的に是正するアイデンティティ・ポリティクス(IP)の戦略にもとづいていた。しかし筆者が行った調査では、九〇年代以降増加の一途を辿る帰化者やダブルは属性ゆえに在日社会の境界に置かれ、IP型運動から離脱する傾向が強いことがわかっている。 一方でカウンター活動に参加する帰化者・ダブルへのインタビューから、運動離脱者との共通点・相違点が明らかになった。IP型運動への反発という点では共通しつつも、活動参加者らは日本社会で受けた差別経験から、出自への蔑視をより強く認識する傾向にある。さらに、活動における役割分担は機能的で、属性を問わない。出自を問う代わりに対ヘイトスピーチ活動に専念できることが、参加継続のサイクルを生んでいた。以上のように、本稿ではマジョリティ/マイノリティという二項対立にもとづき反レイシズム運動を分類する先行研究に対し、属性を越えて参加者がゆるやかに統合される新たな運動枠組みの可能性を提示した。

  • 佐々木 てる
    フォーラム現代社会学
    2010年 9 巻 9-19
    発行日: 2010/05/29
    公開日: 2017/09/22
    ジャーナル フリー
    人口減少社会を迎え従来の外国人政策の見直し、さらには移民政策に関する議論も登場している。しかし外国籍者をめぐる課題も山積している。こういった問題の背景には、これまで社会統合の視点が欠けていると同時に、統合すべき社会像が一向に見えてこないためである。つまり外国籍者をあくまで一時的な滞在者としてあつかうか、もしくは将来国民としてあつかうか、国家レベルでの方針が定まっていない。今後永住者、すなわち実質的な移民をどうあつかうかが、今まさに問われている。こういった現状を踏まえた上で、本稿では現在日本にいる外国籍者、特に永住者を将来的な国民として社会統合する立場を前提とし議論を進める。具体的には日本国籍を取得した在日コリアン、すなわちコリア系日本人の事例から考えていく。コリア系日本人は後天的に国民になった人々であり、彼らの歩んできた道を振り返ること、彼らが求めてきたことを考えることは、社会統合政策を考える上で参考になる。具体的にはコリア系日本人の歴史、国籍取得の背景、さらに現代的な課題を提示していく。そして彼らをとりまく日本社会のまなざしを考え、今後の日本の外国籍者に対する社会統合政策を考えていくことにする。結論を述べれば、コリア系日本人という試みは、日本人というネーションを内部から変容せる可能性を持つものといえる。その意味で彼らの存在は今後の日本社会の向かう国民像の一つを示しているといえる。
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