近年、大規模駅の周辺では都市再生安全確保計画の作成が進んでおり、災害時に駅周辺で起こりうる諸問題の把握やソフト・ハード両面での対策実施がますます重要となっている。本研究ではまず、首都圏における主要な駅周辺地区を対象として、地震・水害・複合災害の危険度や滞留人口の特性を概観した。次に、地震・水害・複合災害のリスクを有するターミナル駅の一つであるJR北千住駅周辺の東京都足立区千住地区に焦点をあて、災害時に想定される群集の分類を行うとともに、これらの発生規模に関する時間帯別の推計を行い、避難所等の収容可能人口との比較を行った。最後に、駅周辺における災害時の課題と必要な対策に関する具体的な指摘を行った。
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