東京箱根間往復大学駅伝競走
は1920年 (大正9年) に始まり, 本年2003年に79回の歴史を刻んでいる. わが順天堂大学は1958年, 初出場より本年まで46回連続出場を達成している. この間10回の優勝, 18回の2位・3位を数え, 参加全大学中, 抜群の勝率を残している. この好成績の要因としては種々の医科学的アプローチの賜である. 1966年, 初優勝よりスポーツ生理学的指標である最大酸素摂取量を基盤としたトレーニング, 1979年より血液性状によるコンディションチェック, 脚筋力と競技記録の関連, 1990年代より血中乳酸を指標としたトレーニング強度の改善など, 生化学的検査を駆使し, 出場選手のコンディションチェックの手法を確立し, 持久性能力の改善手段として関連諸学科との協力体制を構築することにより『順天堂大学方式』としての評価を得ることができた. 医科学的データに基づく〈客観的指標〉, 現場のコーチングスタッフの眼力による〈主観〉との融合, 学生選手と現場指導者であるコーチングスタッフとの信頼関係により大きな成果を得たものと確信している. 今後, 私どもは関連諸学科との連携により更なる改善を重ね競技力向上に邁進したいと考える.
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