アカマツ林の後退・照葉樹林の拡大をレビューによって時系列に示すことができた。1960年代の高度経済成長を境に人々の求める森林像が、薪炭林という直接的な森林から、風景・環境という間接的な森林へと変化した。森林は放置され、山麓部は照葉樹林の単純な森林へと推移し、人工林は衰弱し風害箇所も散見されるまでとなった。緑豊かで美しい外観からは想像できないほど東山の森林は危うい状況にあることを示した。風景林・環境保全林として整備するには東山全域としてとらえることが求められ、京都市行政のイニシアティブの発揮と、風景デザインの作成が必要と考えた。
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