本研究では、日本のファッションイラストレーションがメディア特にマスメディアに掲載されて流通するようになった出発点は、江戸時代の浮世絵版画にあると考えた。そこで本研究では、浮世絵版画以降現在までの日本のファッションイラストレーションが発表されたメディアについて調査し明らかにすることを試みた。そして、ファッションイラストレーションはメディアに掲載されて発表・流通される以上、両者は切り離せない関係にあることを明らかにした。また、従来のマスメディアに加え、新たなメディアの発達・変容は、今後ファッションイラストレーションの表現技法および作品に影響を与えると予測される。作品制作を行う者は、ファッションイラストレーションの基礎技法を押さえた上でのさらなる新技術習得および作品内容深化の努力が欠かせないと考えられる。
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