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クエリ検索: "松波駅"
1件中 1-1の結果を表示しています
  • 青野 寿彦, 奥山 好男, 向後 紀代美, 合田 昭二, 竹田 秀輝
    地理学評論
    1972年 45 巻 10 号 679-702
    発行日: 1972/10/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    1960年代,日本の織布能力は,北陸産地に,さらには北陸産地の北部に,集中あるいは移動しつつある・織布部門は,高度の近代工業である繊維産業の端末の一環であり,その名にふさわしい近代装備をもって・奥能登では創設されている.それは,繊維製品に関して,内国生産市場ならびに外国消費市場におけるところの,先進内国・後進外国の生産諸地域との激烈な競争を意識し意図して,すすめられている.
    他方,奥能登の農家経営は,兼業(薪炭林業・沿岸漁業)という支柱を失って崩壊の危機にある.これに高物価と低米価が追いうちをかける.かくして,一方では出かせぎの増大,他方では経営放棄(小作返還・耕作委託)さらには耕作放棄・地目変更がおこっている.地代・地価は低落の傾向にある.在来の産業と人口の衰退・減少をまえに自治体は,これを抑止するとともに,新規の産業と人口の移植・移入をはかりつつある.織布業は,それ自体が新規の産業であるだけではなく,農家にとって,林業・漁業にかわる新規の支柱になるはずであった.
    しかし,織布業の創業資金の調達のための土地売却は,信用農協・市中金融機関にとって土地恐慌(地価崩落)の脅威をもたらす.石川県の織布業創業資金利子補給金交付要綱は,かくして立案・施行された.しかし,これによる選別的な機業家の創設は,一層の耕作放棄と土地集中を結果する.それは,つまり・国のr総合農政』の奥能登における地域的な展開である.その展開は,また,奥能登の地域政治・地域経済に衝撃をあたえ,それらの再編をうながす.
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