本研究では,過去 5 年間の事故調書データ解析結果に基づいて,高速道路を対象としたハザード知覚テストを作成・実施し,高齢者が高速道路上のどのような場面でハザード知覚ができない傾向にあるか検証した.40 名の実験参加者(高齢者 20 名,非高齢者 20 名)に対する実験の結果,高齢者はハザードの危険性を正しく認識できた割合を示す平均ハザード得点率が非高齢者と比べて有意に低く,ハザードを正しく知覚できていないことが分かった.また,高齢者のハザード知覚の特性として(1)本線分岐合流部や TB における他車両の行動予測,ならびに(2)複数車両に対して同時に注意を払いつつ交通状況の予測をせねばならない状況,を苦手としていることが明らかとなった.
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