本稿では,まちに住み,よりよいまちを考え動いている産学民の多様な人々が,「何かが起こり生まれた」と感じ口々に語っていた一つの出来事を取りあげる。本稿で記述するのは,日本の地方都市で,Co-ya(仮名:団体名および場所名)が生まれる黎明時の実践の記録である。本稿の目的は,実践を共有するストーリーとして描き,次の実践研究を考えるリソースとなるようなストーリーの記録とすることである。よりよいまちをめざして,かかわり,動いている多様な人々の間で,どのようにCo-yaが生まれたのか,ストーリーとして描きだすことをめざした。そのために,羅生門的手法を用いて,6名の語りそれぞれから「どのようにCo-yaが生まれたのか」を多面的に記録した。
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