[はじめに]水中運動においてバランス運動と筋力強化運動の効果を検討することを目的とした.[症例紹介]80 代,女性,左大腿骨転子部骨折後に観血的整復固定術を施行した.[経過]ABデザインで水中のバランス運動(1 週間)と筋力強化運動(1 週間)の効果を1 週間毎と,水中運動1 回毎の前後で比較した.測定項目は,Functional Reach test,Timed Up and Go test,10 秒椅子立ち上がりテスト,大腿四頭筋筋力,Functional Independent Measure とした.1 週間毎の結果で,バランス運動でバランス能力の指標,筋力強化運動で筋力の指標が改善した.[考察]水中運動におけるバランス運動の特性と筋力強化運動の特性があり,効果が異なる.[結論]治療目的に応じて水中運動を選択できる可能性がある.
抄録全体を表示