本研究では,水道管として埋設されている鋳鉄管とダクタイル鋳鉄管の孔食に着目し,経過年数および埋設地盤との関係について分析を試みた.分析には,東京23区内を対象として1987年から実施された約7,000件の埋設管の管体調査データを用いた.本分析の結果,埋設地盤の腐食性の強度を示す孔食度係数(𝑘)を地盤分類毎に定量化し,管体調査の結果をもとに,腐食性の弱い地盤Iと強い地盤IIが東京23区内の西部と東部に区分されることを実証した.また,地盤腐食性と孔食深さに関する傾向やポリエチレンスリーブの防食効果についても明らかにした.さらに,鋳鉄管はダクタイル鋳鉄管に比べ,孔食の進行が速いことをグラフによって可視化することができた.これらの新たな知見は,対象地域における管路更新計画の有用な情報になると考える.
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