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クエリ検索: "楊延昭"
1件中 1-1の結果を表示しています
  • 福浦 厚子
    文化人類学
    2014年 79 巻 3 号 285-304
    発行日: 2014/12/31
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は、シンガポール華人社会における寺廟を中心とした宗教実践(拜神信仰)の基本構造を明らかにすることである。その際、寺廟の管理者である主席と宗教職能者である道士と童〓の関係に注目する。道士と童〓は学術用語の司祭と霊媒(シャーマン)に対応しているという前提で議論を進めてゆくことにしたい。此岸的な行為の実行者として、司祭と霊媒の二者を対比的に捉えたのはウェーバーである。またアトキンソンは、司祭を典礼中心の儀礼の担い手、霊媒を専門家としてその場で臨機応変に対処するパフォーマンス中心の儀礼の担い手と対比させた。司祭と霊媒は補完関係と考えればよいのであろうか。佐々木は王と司祭と霊媒の三者がかつて同一人物であった状況を想定し、そこから司祭と霊媒を対比させた。田中はそれまでの司祭と霊媒の対比に、スリランカの事例に基づき非宗教職能者である寺院の管理人を加え、三者関係のなかで儀礼の分析を行い、寺院の管理人が世俗の代表者として、司祭との関係を通じて社会での地位と権力の行使を正当化した。さらに、霊媒は儀礼のなかで司祭に従属していると指摘した。シンガポールの宗教職能者に関する研究では、ウィーや佐々木は、童〓の行動が相互依存的で、臨機応変に対処していることを示したが、支援者や寺廟との関係については明らかにしていない。近年、クアが寺廟運営の合理化に関する論文のなかで、主席と理事会の役割の変化を指摘した。しかしこれらはいずれも、司祭(道士)、霊媒(童〓)、管理人(主席)の三者関係を捉えていない。道士と童〓は補完関係にあるのか、また上下関係があるのかについて具体的な事例に基づき明らかにする。また、主席を含めた三者関係をみることによって、道士と童〓の上下関係は、固定したものかどうかについても検討する。
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