近年、Brain-Machine Interfaceの研究が盛んに行われているが、その多くは運動想起を用いた手法であり、長期間のトレーニングを必要とするものである。しかし、実際にBMIシステムを必要とする人はこういったトレーニングに耐えられるのだろうか。その点から、著者らはこれまでに脳波を用いたtraining-free の携帯型BMIシステムの試作と電動車椅子操作への応用を行ってきた.本システムでは,初心者に対しても脳波信号に基づく判別率をなるべく高める様々な工夫がなされている.本論文では,このシステムに適用することを目的として,時系列モデルを用いた判別法を考案した.同定した脳波予測モデルからの予測値と実測値を用いて判別を行っている.これを,本システムに適用し,建物内を一周するというタスクを行った.これにより,平均80%程度であった実験成功率を,100%近くまで向上させることに成功した.
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