3例の胆石イレウスを経験したので,術前診断の検討を中心に,若干の考察を加え報告した. 3例は全て胆嚢十二指腸瘻によるものであった. 1例は空腸で, 2例は回腸で結石が嵌頓していた.手術は全例結石摘出術を行っただけで,胆嚢摘出術,瘻孔処置は行わなかった.胆石イレウスは胆石症の合併症として稀な疾患であり,近年においても,術前に診断される症例は半数に満たない.われわれは術前診断困難な症例に, DIC断層撮影による胆道内ガス像と, Miller-Abott管を用いた小腸造影での結石像を確認し,術前診断を得た.
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