近年、中山間地域においては、ますますの過疎化高齢化の波を受け、地域社会運営に支障をきたす集落が増加するとともに、田や畑など農地や自然環境をはじめとする地域資源の保全が困難になってきている集落も少なくない。
そうした中で、中山間地域においては、住民が主体となって地域資源の保全や地域の活性化に取り組む事例が全国で展開されており、地域から一度出て行った帰省住民や地域と直接つながりを持たない都市住民も参加する地域資源の保全活用のあり方と手法開発が大きな課題となっている。
そこで本研究では、中山間集落の活性化方策に関して、既存の住民だけでなく、帰省住民や都市住民などの外部の人との交流活動を通じて、多世代参加による地域資源の保全活用を進めるための方策と課題を明らかにすることを目的とする。
本編では、調査対象地として田園部に丘陵地が広がる富山県氷見市を選定し、棚田やため池資源や山林資源等の地域資源について、子どもや若い世代がどのように暮らしの中で関わりをもち、それをどのように評価しているかを明らかにする。
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