大学の講堂(13m×21.6m×7m(h))の壁式置換空調で,除湿後の再熱エネルギー回避を目的として,リターン空気の半分を直接混合する「リターンバイパス方式」を採用した。この時の居住域内空気質性状,気流,温熱環境特性を延べ200人弱の被験者の参加を得た1.5時間の実験で把握した。吹出し口近くの席で一部寒さによる不快申告があったが、空気質は良好であることや,再熱に要するエネルギーの大幅な節約ができることを明らかにした。さらに設計段階で必要とされる境界領域高さの検討を行なうため,実験結果を基にCFD計算モデルを作成し,これを用いた検討により,人体からのプリュームが支配的な状態での境界領域高さは呼気発生高さに依存することを明らかにした。
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