濱田 涼太, 南角 学, 細江 拓也, 布留 守敏, 伊藤 宣, 中村 伸一郎, 栗山 新一, 池口 良輔, 松田 秀一
会議録・要旨集
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【はじめに,目的】
人工膝関節置換術(以下,TKA)後の理学療法では,膝関節機能の回復を図りながら歩行能力の向上を目指す。一般に,理学療法により獲得できる歩行速度は術後や退院後のADL能力を決定することから,歩行速度に着目した評価や介入は重要である。TKA術後において,効率的に歩行速度の向上を図るためには術後の歩行速度に関連する因子を明確にすることが必要であるが,これらの因子を詳細に検討した報告は少ない。本研究の目的は,TKA術後1年における歩行速度に関わる因子を術側の機能から検討することとした。
【方法】
対象はTKAを施行し同様の理学療法を実施した女性119名(年齢72.4±8.9歳)であった。術後1年の評価項目として術側の膝関節屈曲・伸展可動域,術側の膝関節屈曲・伸展筋力,術側の片脚立位時間を測定した。膝関節屈曲・伸展筋力はIsoforce GT330(OG技研社製)により等尺性筋力を測定し,トルク体重比(Nm/kg)にて算出した。また,2011年度版Knee Society Score(以下,KSS)を使用し,術側の膝の状態と満足度,期待度,活動性を評価した。さらに,術後1年でTimed up and go test(以下,TUG)を実施し,対象をRosemaryらが示したTUGの年代別健常者平均値より速い者をA群,遅い者をB群に分類した。各測定項目の両群間の比較には,対応のないt検定とマン・ホイットニーのU検定を行い,有意差が認められた項目を説明変数,歩行速度を目的変数としたロジスティック回帰分析を行った。
【結果】
両群の割合はA群46名(39%),B群73名(61%)であった。術側の膝関節伸展可動域(A群-2.0±3.1°,B群-3.0±4.8°)と片脚立位時間(A群17.4±11.4秒,B群10.0±10.3秒)は,A群のほうが有意に大きい値を示した。術側の膝関節屈曲・伸展筋力はA群(屈曲0.67±0.83Nm/kg,伸展1.32±0.40Nm/kg)がB群(屈曲0.44±0.17Nm/kg,伸展0.98±0.33Nm/kg)よりも有意に高い値を示した。また,KSSのうち膝の状態(A群20.3±4.4点,B群17.7±5.3点),満足度(A群27.6±8.1点,B群23.1±8.3点),活動性(A群71.5±14.7点,B群52.8±18.5点)はA群がB群よりも有意に高い値を示した。一方,その他の項目は両群間で有意差を認めなかった。さらに,ロジスティック回帰分析の結果,歩行速度を規定する因子として,術側の膝関節伸展可動域,膝関節伸展筋力,KSS(膝の状態,活動性)が有意な項目として抽出された。
【結論】
本研究の結果,TKA術後1年で約4割の症例が同年代の健常者よりも歩行速度が速かった。さらに,これらの症例の特徴として,術側の膝の状態・膝関節伸展可動域・膝関節伸展筋力といった総合的な機能が良好であるとともに術後の活動性が高いことが示された。このようにTKA術後に歩行速度が健常人よりも速くなる条件としては,術側膝関節の総合的な機能の回復と術後の活動性の向上が必要であり,術後の理学療法介入の一助になり得ると考えられた。
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濱田 涼太, 宮坂 淳介, 西村 純, 吉田 路子, 南角 学, 高折 晃史, 近藤 忠一, 松田 秀一
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【はじめに,目的】造血幹細胞移植(以下,HSCT)は造血器関連の腫瘍性疾患・遺伝性疾患に対する治療方法であり,移植後の生存率は長期化している。HSCT治療における無菌室(以下,CR)管理期間中では安静臥床を余儀なくされるため重度の廃用症候群を呈するリスクが高い。近年,HSCT患者の下肢を中心とした抗重力筋力の低下が指摘されており,予防を図るために多くの取り組みがされている。しかしながら,同じ抗重力筋に分類される体幹筋に着目した報告は少ない。本研究の目的は,HSCT後早期における体幹筋断面積と運動耐容能の変化を検討することである。【方法】当院にてHSCTを施行しCR管理前後にCT検査を施行した17名(男性13名,女性4名,年齢52.32±12.11歳)を対象とした。対象者は全例移植前よりリハビリテーション介入を行っている。体幹筋断面積はCT(Aquilion64,東芝メディカルシステムズ社)にてL3椎体レベルのaxial断面で腹直筋,側腹筋群(外腹斜筋+内腹斜筋+腹横筋),脊柱起立筋,大腰筋の筋断面積を画像解析ソフト(AquariusNETver4.4.6)を用い算出した。運動耐容能の評価として,CR管理前後に6分間歩行(以下,6MWT)を測定した。統計学的処理は,同一被験者内でCR管理前後の各体幹筋断面積,6MWTの比較としてウィルコクソンの符号付順位検定を用い,各体幹筋断面積と6MWTの関連性の検討にはそれぞれの変化率〔(移植後-移植前)/移植前*100〕を算出し,スピアマン順位相関係数を用いた。統計学的有意基準はすべて5%未満とした。【結果】本研究の対象者のCR滞在日数は,40.4±14.7日,CR管理期間中の理学療法の実施率は70±17%であった。脊柱起立筋の筋断面積はCR管理前1857.6±428.2mm
2,CR管理後1590.6±379.0mm
2で,CR管理前と比較してCR管理後では有意に低い値を示した。腹直筋,側腹筋群,大腰筋ではCR管理前後で有意差を認めなかった。筋断面積の変化率は腹直筋(0%),側腹筋群(-4.9%),大腰筋(0%),脊柱起立筋(-14.4%)であり,脊柱起立筋の筋断面積の変化率が有意に低い値を示した。6MWTはCR管理前476.6±96.5m,CR管理後388.6±74.2m,変化率-18.5%と有意に低下していたが,脊柱起立筋の筋断面積と6MWTの間には有意な相関は認められなかった(r=0.2)。【結論】本研究よりHSCT患者のCR管理前後における体幹筋の筋断面積の変化は,筋によって異なる傾向を示し,脊柱起立筋においてのみ有意な減少を示した。脊柱起立筋は抗重力筋に分類され,臥床による影響を受けやすい筋であることが先行研究で報告されている。身体活動性の低下が脊柱起立筋の筋断面積の低下に影響している可能性があり,今後の検討課題にしていく必要がある。また,脊柱起立筋の筋断面積の低下がCR管理後の運動耐容能に影響しているのかを検討したが関連は認めず,他の因子が影響していることが示唆された。
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村尾 昌信, 南角 学, 島村 奈那, 濱田 涼太, 後藤 公志, 黒田 隆, 松田 秀一
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【はじめに,目的】人工股関節全置換術(以下,THA)は歩行能力の改善に有効であるとされる。臨床場面では,術前や術後早期から術後の長期的な運動機能を想定しながらADL指導を行うことが多い。近年,THA術後における運動機能の予後予測の検証は多くなされるようになり,より客観的に運動機能の回復が予測できるようになっている。しかし,ADLレベルの重要な指標となる歩行速度の回復に着目して予後予測を行った報告は見当たらず不明である。本研究の目的は,THA術後6か月の歩行速度が術前から予測できるかどうかを検討することである。【方法】対象は当院にてTHAを施行した後,同様の理学療法を実施した女性118名(年齢:60.6±10.6歳,BMI:22.5±3.5kg/m2)であった。術前の測定項目は,両側の股関節屈曲・伸展・外転の関節可動域,股関節外転・膝関節伸展・脚伸展の筋力であった。股関節外転筋力は徒手筋力計(日本MEDIX社製)を,膝関節伸展筋力と股関節外転筋力はIsoforce GT-330(OG技研社製)を用いて等尺性筋力を測定した。股関節外転筋力と膝関節伸展筋力はトルク体重比(Nm/kg)を,脚伸展筋力は体重比(N/kg)を算出した。また,THA術後6か月の歩行速度の指標として,Timed up and go test(以下,TUG)を実施し,さらに対象をRosemaryらが示したTUGの年代別健常者平均値より速い者をA群,遅い者をB群に分類した。術前の各測定項目について対応のないt検定を用いて群間比較を行い,有意差が認められた項目を説明変数,歩行速度を目的変数として投入し,ロジスティック回帰分析を行った。さらに,回帰分析により最も高いオッズ比が得られた項目に対してROC解析を行い,Cut off値を求めた。統計学的有意水準は5%未満とした。【結果】両群の割合はA群:44名(37%),B:群74名(63%)であった。t検定の結果,術側の股関節外転筋力と脚伸展筋力,非術側の股関節外転筋力,膝関節伸展筋力,脚伸展筋力については2群間で有意差が認められた。ロジスティック回帰分析の結果,歩行速度を予測する因子として非術側の膝関節伸展筋力(A群:1.77±0.63Nm/kg,B群:1.51±0.29Nm/kg),非術側の脚伸展筋力(A群:10.59±3.78N/kg,B群:7.46±1.58N/kg)が有意な項目として抽出された。それらの内,よりオッズ比(オッズ比:1.15)が高かった非術側の脚伸展筋力についてROC解析を行った結果,曲線下面積は0.73,Cut off値は9.66N/kg(感度64%,特異度76%)であった。【結論】本研究により,THA術後6か月では約4割の症例で,健常人と同等の歩行速度まで回復することが明らかとなった。さらに,術前における非術側の脚伸展筋力からTHA術後6か月における歩行速度が予測できることが明らかになった。この結果より,THA術後の歩行速度の回復を術前から予測するためには非術側を含めた評価が必要であるとともにADL指導や術後の歩行能力を説明する際の根拠となり得ると考えられる。
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島村 奈那, 南角 学, 濱田 涼太, 村尾 昌信, 黒田 隆, 後藤 公志, 松田 秀一
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【はじめに,目的】人工股関節置換術(以下THA)後の理学療法では,関節可動域や下肢筋力の回復に合わせて日常生活に必要な動作を獲得することが重要である。そのためTHA術後の関節可動域や下肢筋力,さらに動作能力の回復過程を明確にする必要がある。しかし,THA術後の下肢筋力や歩行能力の回復過程を調査した報告は多いが,立ち上がりや階段昇降などの動作能力を定量的に評価した報告は少ない。本研究の目的は,THA術後における動作能力の回復過程を明らかにすることとした。【方法】対象はTHAを施行された46名とした。術後理学療法は当院のプロトコールにて行い,術後4週で退院となった。測定項目は,股関節屈曲角度,下肢筋力,歩行能力,動作能力とし,測定時期は術前,術後4週,術後8週,術後20週とした。下肢筋力は,股関節外転筋力,膝関節伸展筋力および脚伸展筋力を測定し,歩行能力は10m歩行速度,Timed up and go test(以下,TUG)を測定した。動作能力の評価として5回立ち座りテスト,階段昇降テストを用いた。股関節外転筋力の測定には徒手筋力計(日本MEDEX社製),膝関節伸展筋力および脚伸展筋力の測定にはIsoforce GT-330(OG技研社製)を用い,等尺性最大筋力を測定した。5回立ち座りテストは40cmの椅子から最大努力の速さで5回立ち座り動作を反復した時間を測定した。階段昇降テストは12cm段の階段5段を最大努力の速さで昇降した時間を測定した。統計は,各時期における測定項目の比較には一元配置分散分析およびFisherによる多重比較法を用い,統計学的有意基準を5%未満とした。【結果】股関節外転筋力(術前0.60±0.29Nm/kg,術後4週0.59±0.25Nm/kg,術後8週0.71±0.28Nm/kg,術後20週0.81±0.30Nm/kg)および膝関節伸展筋力(術前1.34±0.63Nm/kg,術後4週1.07±0.53Nm/kg,術後8週1.40±0.60Nm/kg,術後20週1.64±0.72Nm/kg)は術前と比較し術後20週で有意に高い値を示した。10m歩行速度(術前8.0±3.0秒,術後4週8.4±2.3秒,術後8週7.0±2.1秒,術後20週6.2±1.4秒),TUG(術前9.5±4.2秒,術後4週9.8±3.2秒,術後8週8.0±2.4秒,術後20週7.1±1.9秒)および5回立ち座りテスト(術前11.1±4.3秒,術後4週10.3±3.2秒,術後8週8.8±2.5秒,術後20週8.4±2.5秒)は術前と比較し術後8週で有意に高い値を示した。階段昇降テストは,術前8.1±3.6秒,術後4週9.0±3.7秒,術後8週6.9±2.6秒,術後20週5.8±1.6秒であり,術前と比較し術後20週で有意に高い値を示した。股関節屈曲角度および脚伸展筋力は,各時期で有意差を認めなかった。【結論】本研究の結果から,THA術後の歩行能力や立ち上がり能力は,術後8週には術前よりも有意に改善するが,下肢筋力,階段昇降能力は術後20週で術前よりも有意に改善していることが明らかとなったため,これらの結果を考慮した理学療法プログラムの作成が必要である。
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濱田 涼太, 南角 学, 島村 奈那, 村尾 昌信, 布留 守敏, 伊藤 宣, 中村 伸一郎, 栗山 新一, 松田 秀一
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【はじめに,目的】変形膝関節症(以下,膝OA)患者の主な機能障害として,疼痛,膝関節周囲筋の筋力低下,関節可動域制限,膝関節のアライメント異常が挙げられる。近年,膝OAや人工膝関節置換術(以下,TKA)後患者の股関節周囲筋の機能低下についても指摘されており,その評価の重要性が増している。しかし,膝OAやTKA術後患者の膝関節機能と股関節周囲の機能の関連性について検討した報告は見当たらない。そこで,本研究の目的は,膝OA患者の膝関節の内反アライメントが股関節周囲筋の筋萎縮に及ぼす影響を検討することである。【方法】対象は内反型の膝OA患者41名(男性8名,女性33名,年齢75.6±7.1歳,体重62.2±12.2kg)とした。膝関節のアライメント評価は,立位レントゲン画像を用いて両側の内反角(大腿骨頭-膝中心を結ぶ線と脛骨の骨軸と平行で地面と垂直な線)を算出した。股関節周囲筋の評価として,CT画像を用い,仙腸関節最下端での水平断における画像から,大殿筋,中殿筋,腸腰筋,腹直筋の筋断面積を算出した。膝関節運動機能として,膝関節可動域(屈曲,伸展),膝関節筋力(屈曲,伸展)を測定した。膝関節筋力はIsoforce GT330(OG技研社製)により等尺性筋力を測定し,トルク体重比(Nm/Kg)にて算出した。統計学的処理として,同一被験者内で膝の内反角が大きい下肢と内反角が小さい下肢の股関節周囲の筋断面積,膝関節可動域,膝関節筋力の差を対応のないt検定で比較した。統計学的有意基準は全て5%未満とした。【結果】膝の内反角が大きい下肢の大殿筋2256.3±595.9mm
2,中殿筋2324.7±455.6mm
2,膝関節屈曲可動域120.4±15.4°,膝関節屈曲筋力0.44±0.26Nm/Kg,膝関節伸展筋力0.89±0.48Nm/Kg,内反角が小さい下肢の大殿筋2505.8±788.4mm
2,中殿筋2457.5±396.1mm
2,膝関節屈曲可動域128.5±15.1°,膝関節屈曲筋力0.55±0.21Nm/Kg,膝関節伸展筋力1.14±0.56Nm/Kgであり,内反角が大きい下肢の大殿筋と中殿筋の筋断面積,膝関節屈曲可動域,膝関節屈曲,伸展筋力は内反角が小さい下肢と比較して有意に低い値を示した。一方,腸腰筋と腹直筋の筋断面積,膝関節伸展可動域については,左右で有意差を認めなかった。【結論】膝OA患者の機能障害として,膝の内反角が大きい下肢では膝関節機能の低下が生じるとこれまで報告されてきているが,本研究でも同様の結果となった。また,股関節周囲筋の萎縮に関して,膝OA患者は両側罹患であることは多いが,本研究の結果より膝の内反角が大きい下肢では内反角が小さい下肢よりも中殿筋と大殿筋の筋萎縮が進行していることが明らかとなった。以上から,膝OA患者やTKA術後の運動機能の向上を図っていくためには膝関節機能だけではなく,股関節周囲筋に対する評価や介入が必要であることが示唆された。
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大島 洋平, 太田垣 あゆみ, 吉岡 佑二, 濱田 涼太, 梶本 泰志, 増本 枝里子, 芳川 豊史, 伊達 洋至, 佐藤 晋, 松田 秀一
呼吸理学療法学
2021年
7th.Meeting 巻
SJ-2-
発行日: 2021年
公開日: 2022/08/02
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川原 一馬, 髻谷 満, 松村 佑介, 森 広輔, 大野 一樹, 大松 峻也, 豊田 裕規, 木村 弘, 千住 秀明
呼吸理学療法学
2021年
7th.Meeting 巻
SJ-1-
発行日: 2021年
公開日: 2022/08/02
ジャーナル
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佐橋 健人, 石田 知也, 松本 尚, 三上 兼太朗, 千葉 健, 山中 正紀, 青木 喜満, 遠山 晴一
会議録・要旨集
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村尾 昌信, 南角 学, 濱田 涼太, 河野 拓巳, 栗山 新一, 中村 伸一郎, 松田 秀一
会議録・要旨集
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天笠 陽介, 高田 知義, 黒岩 平, 佐藤 貴久, 木村 雅史
会議録・要旨集
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河野 拓巳, 南学 学, 村尾 昌信, 濱田 涼太, 後藤 公志, 黒田 隆, 松田 秀一
会議録・要旨集
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玉井 由美子, 海道 利実, 加茂 直子
学会誌JSPEN
2022年
4 巻
2 号
72-78
発行日: 2022年
公開日: 2022/11/06
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要旨:【目的】肝移植術前握力・術後握力の経時的変化,周術期栄養管理の関係について検討.【方法】対象は2013年1月から2020年2月までに当院で成人生体肝移植を施行し移植後6カ月以内死亡症例などを除いた125例.筋肉量は体組成分析装置,握力は握力計で評価.1)術前握力,2)握力の経時変化(全症例,年齢別,性別,術前握力別),3)術後1カ月の握力測定症例96例を術後早期栄養投与量推奨以上投与群・未満群で握力回復率を比較,4)握力回復率高値群・低値群で術後在院日数を比較検討.【結果】1)術前握力低値例は45例(36%)で,女性で有意に多く2)術後6カ月で術前値に回復,術前握力低値群で有意に回復が早かった.3)たんぱく質の推奨以上投与群は未満群より有意に握力回復率が高値であった.4)握力回復率高値群で術後在院日数が有意に短かった.【結論】生体肝移植術後早期の適切な栄養投与は,握力の早期回復および早期退院に寄与すると考えられる.
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