目的 「卒業記念パーティ」, 「通学」, 「小旅行」, 「会社訪問」の各場面において, 「派手/地味」あるいは「フォーマル/カジュアル」と評価される衣服を着用したときに生起する「快活・爽快」, 「充実」, 「優越」, 「安らぎ」および「抑うつ・動揺」, 「羞恥」, 「圧迫・緊張」の各感情を測定し, 衣服の評価とその衣服を着たときに喚起する感情との関係を求める.成果 (1) 派手から地味に至る服装では, 「会社訪問」の場面で「地味」と評価される服装のときに「充実」感情が, 「パーティ」の場面で「派手」と評価される服装のときに「優越」感情が喚起した.「快活・爽快」, 「安らぎ」の感情は, 各場面ともに派手でもなく, 地味でもないと評価される服装のときに生起する傾向が認められた.否定的感情の「抑うっ・動揺」, 「羞恥」は各場面ともに「派手」あるいは「地味」と評価される服装のときに起こり, 「圧迫・緊張」は会社訪問の場面において特に地味と評価される服装のときに顕著に生起した.(2) フォーマルからカジュアルに至る服装では, 「充実」, 「優越」感情は服装評価がカジュアルからフォーマルになるに従って生起し, 逆に, 「快活・爽快」, 「安らぎ」感情はフォーマルからカジュアルになるに従って喚起する傾向が示された.否定的感情の「圧迫・緊張」はあらたまった場面でフォーマルと評価される服装のときに誘発されることがわかった.
抄録全体を表示