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クエリ検索: "渡部俊樹"
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  • ―海洋生態・環境研究プログラムにおける2004 - 2008年度(第1期中期計画)における研究成果概要報告―
    丸山 正, 加藤 千明, 山本 啓之, 藤倉 克則, 佐藤 孝子, 藤原 義弘, 古島 靖夫, 土田 真二, 小俣 珠乃, Dhugal J. Lindasay, 吉田 尊雄, 喜多村 稔, 瀧下 清貴, 河戸 勝, 渡部 裕美, Paradillon Florence, 奥谷 喬司, 大石 和恵, 土屋 正史, 三宅 裕志, James D. Reimer, 佐々木 猛智, 根本 卓
    JAMSTEC Report of Research and Development
    2009年 9 巻 1 号 1_13-1_74
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル フリー
    2004年に, 海洋生態・環境研究部が機構の独立行政法人化に伴い, 極限環境生物圏研究センターに所属する海洋生態・環境研究プログラムとして出発して以来, 5年間を経てここで機構の第1期中期計画が終了した. この間, 海洋生物進化研究と海洋生態系変動研究の2本のプロジェクト研究を中心に様々な研究活動を行い, 数多くの成果を得ることができた. 海洋生物進化研究プロジェクトでは, 深海二枚貝であるシマイシロウリガイの共生細菌のゲノムの解読や, 比較ゲノム解析研究, さらに鯨骨生物群集に見出されたイガイ科二枚貝, ヒラノマクラの共生機構研究や, 単細胞真核生物の有孔虫の研究などが行われた. これらは化学合成共生の機構や進化を明らかにするだけではなく, 真核細胞のオルガネラの進化にも共通した問題を含んでいる. 海洋生態系変動研究プロジェクトでは, 中・深層のプランクトン解析から動物プランクトンの現存量, 昼夜での移動や, 生物ポンプとしての役割, そして中・深層に多いクラゲ類の分布や, それと相互作用する甲殻類の様子などが明らかになってきた. さらに将来のプランクトン自働計測技術をめざしてAUV (Autonomous Underwater Vehicle) を開発した. これらは今後グローバルな海洋生態系において重要な研究や技術として発展していくと思われる. 底生生物の生態学的研究では, 底生生物の分布,成長などの研究のほか, 長期ステーションによるシロウリガイの繁殖と環境要因の関係なども研究した. 深海における多様な生物の研究では深海底泥中の原生生物の非常に大きな多様性や, いろいろな分類群における新種の記載や再記載がなされた. これらの研究では地球上にはどのくらい多様な生物が居るか, という大きな問題に今後答えていくことになるであろう. 深海生物の研究は飼育が困難であることから, 深海生物の詳細な研究を行うには障害となっていたが, 生物飼育の工夫がなされるようになり, ずいぶん進展した. 鯨骨も化学合成動物の飼育における基層として大変重要で, 新しい深海動物の飼育技術として使われるようになると思われる. 深海生物については, 日本語では教科書が無かったが, 日本周辺の深海生物の写真を多く利用した深海生物のテキスト「潜水調査船が観た深海生物」を出版した. 海洋生物のデータベースがこのプログラムの最終年である今年になってスタートしたが, このテキストは, その構築にも大いに貢献している. さらに, 将来の深海生物学や海洋生物学を支えてくれるであろう子供たちを対象にした童話も出版した. 本報告では, こうした中期計画の5年間の成果についてとりまとめ, 概説すると同時に, これらのプロジェクト研究の枠を超えて行われた研究についても記述した.
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