幼児における身体活動量の低下は、肥満リスクの増加、ストレスの増大、コミュニケーションの能力および体力・運動能力の低下など、健康上にネガティブな影響を与えることが報告されている。そこで、本研究では、被災地に在住している幼児を対象に、幼児の身体活動に影響を及ぼす保護者の身体活動とメディア関連要因との関連性を検討した。被災地M町の乳幼児307人うち、3歳以上の幼児189人を対象に(男児91人、女児98人)体力・運動能力テスト(両手握力、とび越しくぐり、25m走、立ち幅とび、テニスボール投げ)とライフコーダGSを用いて1週間の歩数を検討した。なお、保護者の身体活動は、global physical activity questionnaireとメディア(テレビ視聴時間など)に関する質問紙を用いて調査を行った。その結果、子どものBMIは保護者の余暇時間の身体活動(r=–0.39,P<0.05)との負の関連性が見られた。また、幼児の歩数(週末)と保護者のTV視聴時間で有意な負の関連性が確認された(r=–0.29,P<0.05)。本研究の結果より、幼児の身体活動量の向上のために、保護者のサポートや教育が必要であることが示唆された。
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