タネバエの卵, 幼虫および蛹を15℃ から30℃ までの5段階 (幼虫では4段階) の恒温条件下で飼育し, 発育期間と生存率について調査した。
1. 各虫態とも, 供試温度の範囲内で発育期間は温度の上昇にともなって短縮した。
2. 卵, 幼虫および蛹の発育零点および有効積算温度は, それぞれ4.2℃, 3.9℃, 6.5℃, 34日度, 143日度および179日度と計算された。
3. 生存率は, 各態とも15~18℃ で最も高く, 30℃ではふ化率, 蛹化率および幼虫発育速度に高温による悪影響がみられた。
4. 以上の結果から, タネバエの発育最適温度は, 15℃ から20℃ の範囲内にあり, 本種は低温適応性の昆虫であると考察した。
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