本研究は,小学校におけるバスケットボール授業の形成的評価因子,及びバスケットボールの構造的特性に関わる形成的評価因子をもとに,教授-学習方略を構想した。次に授業実践を行い,作成した2つの評価票を用いてそれを分析し,より効果的な教授-学習過程の創造のための基礎資料を得ることを目的とした。6年生のバスケットボールの授業において,診断的-総括的評価の比較では,2つの評価全ての評価因子得点で総括的評価のほうが有意に高くなり,形成的評価の分析の結果,学習内容の切り替え時を除いて,全ての評価因子得点は,時間の経過とともに有意に上昇した。構造的特性に関わる形成的評価各因子を,技術・戦術概念,ゲーム形態,評価,教師の支援等と関連づけることによって,学習内容がより明確に評価でき,子どもの意に沿った教授-学習過程作成の可能性が示唆された。
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