大卵遺伝子
Geの形質発現過程において卵形の決定要因が,卵造成を行う卵巣自体に依存しているのか,または卵形成の行われる体内環境に支配されているのかを明らかにする目的で,幼虫終齢期の正常雌と
Ge雌との間で卵巣の片側相互交換移植を行い,手術雌個体の成虫化後に解剖して卵を取り出し,その特徴を調査した。
1)
Ge雌に正常卵巣を移植した場合,宿主卵巣からは
Ge卵,移植卵巣からは正常卵がそれぞれ形成された。
2) 正常雌に
Ge卵巣を移植した場合,宿主卵巣からは正常卵,植移卵巣からは
Ge卵がそれぞれ形成された。
3) いずれの場合も卵黄タンパク質成分は量的にみて正常卵では正常型,
Ge卵では
Ge型であった。
4) 卵の形成は卵巣自身の遺伝子型によって決定されるものであり,体内環境の影響は受けないものと結論した。
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