本研究は,2020年に第30回を迎えた「手でみる造型展」の30年間を省察し,第31回展以降の展望を考察することで熊本県における社会的・文化的,そして教育的発展を目指すものである。方法としては,先行研究や記念事業として発行された記念誌等を基にして,これまでの取り組みの概要を総括的に整理し,省察を行うことによって展望を述べた。展望では,まず意義を分類し,これまでの取り組みと結びつけながら今後の方策を明示した。そして,その意義を啓発していくためには出品者・出品作品の多様性の推進,及び巡回展等を通じた熊本県内全域への拡充を図ることが必要であることを明らかにした。
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