燃料の利用は過去に於て一般工業に最大緊要事たりし如く現今に於ても然ありて叉將來にも尚ほ變らざるべきを以て熱の應用に就ての改良進歩は將其燃料の節約たると其時間の短縮たると將叉他の方法によりて從前に勝りたる成果を得るとに論なく製造工業に從事する者の爲等しく重要のことなりとす然るに燃料の一なる水瓦斯は欧米に於ては既に古く知らるれども我邦に於ては學界以外に在ては殆んど之を知る者なかりしが近時京都帝國大學に於て之を使用するの外製鐵所及び東京瓦斯會社に於て之を探用せんとする計書ある由にて時事新報及び工業化學雑誌第三十三號に此等に關する記事ありて梢世人の注意を惹くに至りたるを以て予は聯か水瓦斯の総論と瓦斯躰燃料中に於ける位置を述べ併せて近塒の発明を世に紹介せんとするなり依て予は之を左の條項に分つて追次之を記述せんとす一〇五七第一第三第五水瓦斯製造の化學成分及び性質水瓦斯事業現今の状況第二第四第六水瓦斯製造法水瓦斯製造の沿革製造費八第七水瓦斯の用途第九危害の有無第八水瓦斯の優良及び能率第十結論是より追次其大要を記述せんとす
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