モルモットの実験的 penicillin 疹および cephalosporin 疹において, 微量全血法による薬剤添加リンパ球幼若化試験(LTT)を検討した。1) 薬剤添加 LTT の成績は, 同じ薬剤による局所皮膚反応, 抗ハプテン抗体価および generalized rash (GR) と比較すると, 遅延局所皮膚反応に相関する傾向がみられた。特に, 硬結を伴う古典的 DTH が誘導された場合には, 安定した高い LTT の成績が得られた。しかも, 感作1週間前に大量の薬剤を全身的に投与すると, 硬結反応は消失し, LTT も著名に抑制された。2) LTT における薬剤間の交叉反応性およびハプテン・担体特異性の成績は, 遅延型局所皮膚反応の成績と若干異なる点がみられ, 両者の抗原シグナルには若干の相違があるように思われた。3) ABPC は, non-specific な mitogenetic activity を有することが示され, この ABPC 添加 LTT は, 原因薬剤による LTT に相関した。また, このABPC 添加 LTT は, ほかの薬剤による LTT と異なり, GR の誘発によってほとんど抑制されなかった。
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