目的：わが国における尿道カテーテル留置患者の日常的な衛生管理に関する研究動向を概観し，今後の課題を明らかにする。方法：『医中誌Web』によりわが国における尿道カテーテル留置患者の日常的な衛生管理に関連する文献を検索し，適格基準を満たした論文を対象とした。結果：対象論文は22編であった。2000年代をピークに論文数や介入研究は減少し，観察的研究が増加した。ケア方法は1日1回の陰部洗浄が多く，カテーテル関連尿路感染症予防に効果を示した介入研究すべてで陰部洗浄が実施されていた。使用材料は種類・効果とも一様でなかった。結論：カテーテル関連尿路感染の予防のためのCDCガイドライン2009公開前は，尿道の特徴や日本人の清潔習慣から，ケア方法や使用材料が検討されていたが，公開後は陰部洗浄一択となり，十分な衛生管理方法が検証されていない事実が明らかとなった。
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