ブナ自然交配家系37家系において初期
生長の家
系間変異について解析した。0年生から3年生までの苗高を測定した。苗高データから生長率も算出した。苗高,生長率共にいずれの年次においても0.1%水準で有意な家系間差が見いだされた。また,隣接して植栽されていた36組の家系の内,11組の家系で3年生苗高の家系平均が有意に異なり,苗高生長には,遺伝変異とみなせる変異が明らかに存在していると考えられた。苗高については有意な正の年次相関が見いだされた。相関の程度は,2カ年の間隔が開くほど減少した。生長率については有意な年次相関は全く見いだされなかった。年次相関の減少には,生長率に年次相関がないことが関連していると考えられた。生長率に年次相関が見いだされなかったのは,試験期間中に行われた2回の床替えの際に根切りをおこなったことにより個体内の生理的なバランスに何らかの変化が加えられたためではないかと考えられた。
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