本研究は、不登校状態にあり、自閉症スペクトラム障害が疑われる小学校6 年生のA児の事例について、本児と家族、そして、担任へ実施した総合的な支援についてまとめたものである。本事例では、2 年にわたって支援してきた経緯を振り返り、A児を指導する担任へ、A児を支える家族へ、通級指導教室に通級するA児へ、それぞれの場面で行った支援がどのように効果をもたらしたかを検証した。その結果、構造化やスモールステップ等の方法を、さまざまな場面で援用して総合的な支援を行ったことが、不登校状態のA 児へいかに効果をもたらしたかを明らかにした。
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