内臓逆位,肺動脈弁閉鎖症,VSD,ASD,PDAを伴ういわゆるIDDタイプの修正大血管転換症に対し,Rastelli手術を施行した.症例は15歳の男子で,チアノーゼおよび太鼓ばち指を認めた.PDAを切離ASDを直接閉鎖し,VSDは経大動脈的にpatch閉鎖した.肺動脈弁閉鎖症に対しては,静脈側心室が形態学的左室であるため,その心機能に最も影響の少ない心尖部に,径22mmのHancock conduitを吻合した.術前PO
256mmHgは術後79mmHgと上昇し,また術前後ともに刺激伝導障害を認めなかった.術後心カテーテル検査で,Hancock弁およびconduitと肺動脈吻合部に,各10mmHg,32mmHgの圧差を認めた.患者は現在順調に日常生活を送っている.
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