1)1985•86の両年に長野県栄村において,ブッポウソウの雛に給餌される食物を,頸輪法により調査した.
2)計96個体の餌を採取できたが,そのほとんど(99.0%)は昆虫であった.
3)採取された昆虫のうち,最も多かったのは鞘翅目の45.3%,次は半翅目の32.6%,以下,蜻蛉目の15.8%,直翅目の3.2%,双翅目の2.1%,鱗翅目の1.1%であった.
4)給餌された餌内容には,昆虫の活動日周期とほぼ対応した日周変化がみられた.
5)ブッポウソウの食性と採食形態の特徴について考察した.また,消化を助ける「碾き臼」として貝殻などを使う行動は,固いキチン質の外骨格を持つ昆虫を餌とすることに適応したこの鳥の食性と密接関係することを考察した.
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