酸性ムコ多糖の-種であるコンドロイチン硫酸ナトリウム-C(Ch-Na)水溶液の粘度,および電位差滴定におよぼす低分子有機塩類の影響を調べた。用いた有機塩はアルキルアンモニウム=クロリドすなわち,メチル-(MACI),エチル-(EACl),ブチル-(BACI),ヘキシル-(HACl),オクチル-(OACI),デシル-(DeACl),およびドデシルトリメチルアンモニウム=クロリド(DTACI)である。Ch-Naの粘度および対応する高分子酸Ch-Hの見かけの酸解離定数におよぼす添加塩効果はつぎの順列で変化した。
MACl>EACl>BACl>HACl>DTACl>DeACl>OACl
鎖長のより短い添加塩系では高分子イオンと対イオンとの静電相互作用が支配的であり,したがって対イオン半径の小さいものほど添加塩効果が大きく,また,より鎖長の大きい塩では静電相互作用の他に疎水相互作用の寄与が大きくなるために上記の順列が見いだされたと考えられる。このことはさらに沈殿点,電気伝導度の測定結果からも確かめられた。
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