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クエリ検索: "矢沢宰"
1件中 1-1の結果を表示しています
  • 藤本 英二
    日本文学
    1996年 45 巻 8 号 9-17
    発行日: 1996/08/10
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    ことばの本源的な力は「応答」にある。読みきかせは聞き手のアド(相槌)に支えられ微妙に変化する「あどがたり」と呼ぶべきものであり、文学教育の原点がここにある。作品を読むとは、作品内部のみならず、作品間、作品と読者のつながりを見つけることであり、文学教育とは生徒と教師が応答を繰り返す中で作品を肉声をもって蘇らせようとする試みである。ことばをおぼえ始めた子どもは、手持ちのことばではじめて出会った経験を表現しようとする。この「ことばのブリコラージュ」は原理的には小説を書く行為と同じだ。生徒の感想文にも「生成しつつあることばの力」がある。思春期の高校生は、「他者との関係を媒介とした自我の問題」や「時間にまつわる成熟・死・歴史の問題」から目を背けようとする傾向にあるが、ことばや物語はむしろ現実を引き受ける方向へ彼らを励ますべきではないか。
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