EVIS 230例中PPVAを確認し得た10例について検討を行った.PPVAの描出は現疾患の肝硬変の診断時期に相関はなかったが,予備能はchild分類でA2例,B6例,c2例と低下した例に多かった.また,血管造影及びEVISにおける血流方向は遠肝性がほとんどであった.PPVAが描出された静脈瘤はLmF
2RC(+)以上の高度な静脈瘤がほとんどであったが,再出血例3例を含めても,出血死はなく硬化療法でのコントロールが可能であった.PPVAの描出は全例下部食道の穿刺であり,しかも90%は9°~12°方向の穿刺であった.10例中4例に合併症を認めたが,2例は糖尿病合併例であった.またいずれも薬剤注入直後に脳血管系の合併症が出現しており,左心系へのシャントを裏付けた.
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