本研究は西條祭りにおいて、屋台奉納、屋台運営の手法、運営基盤としてのコミュニティの三つの観点から祭りの運営形態の分析を通して、その内発的発展の基礎的条件を明らかにするものである。第一に、屋台の数は過去 20年間の間に伝統的な祭礼を守りながら、約2倍に増加した。第二に経費負担者は部落内の人々が主であるのに対して、屋台を運行する舁き夫は部落内外の者で構成されている。第三に地域コミュニティは地縁という空間的なまとまりと人的ネットワークという社会的まとまりの二つの性質を有しながら、屋台数や舁き夫の増加を支える重要な役割を果たしている。
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