本年1月実施の「株券電子化」は、証券投資プロセスを統合的に電子商取引化する社会インフラ構築の契機となるものである。「株券電子化」ほか証券決済制度改革は、業界横断的な性格を持つことから、発行体、投資家から、証券会社、銀行、信託銀行などの市場参加者や、各証券決済インフラ提供者、日本銀行、および金融庁などが広く関係するナショナル・プロジェクトとして、日本証券業協会が主宰する懇談会を中心に推し進められて来たが、電子商取引としてビジネスモデルを構築するまでには至っていない。欧米の先進事例とわが国業界の実情とを比較し、ビジネスモデル構築におけるミッション・プロファイリングなどの重要性とP2Mの活用について論ずる。
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