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クエリ検索: "神奈川県自然環境保全センター"
345件中 1-20の結果を表示しています
  • 永田 幸志, 岩岡 理樹
    哺乳類科学
    2017年 57 巻 2 号 355-360
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル フリー

    丹沢山地の札掛地区(神奈川県愛甲郡清川村)において,継続的に実施されているニホンジカ(Cervus nippon)の生息密度調査の長期データを用いて,生息密度の経年変化と捕獲との関係を検討した.調査は,毎年冬期(12月)と春期(4月)に区画法により実施した.既報の2002年12月から2007年4月までのデータに,あらたに2007年12月から2015年4月までの調査結果を加え,連続する13年間について分析を行った.神奈川県の丹沢山地では2003年度からニホンジカ管理計画に基づく管理捕獲等の事業が実施されているが,本調査地においては2007年度以降に同管理捕獲が実施された.冬期,春期ともに,捕獲実施後の生息密度の平均値(冬期6.5頭/km2,春期3.3頭/km2)は,捕獲実施前の生息密度の平均値(冬期15.2頭/km2,春期11.0頭/km2)と比べて有意に低く,管理捕獲により,調査地に生息するニホンジカの個体数が減少したことが示唆された.

  • 田村 淳, 入野 彰夫, 山根 正伸, 勝山 輝男
    保全生態学研究
    2005年 10 巻 1 号 11-17
    発行日: 2005/06/30
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    ニホンジカの採食圧により林床植生が衰退した丹沢山地冷温帯の3タイプ(オオモミジガサーブナ群集, ヤマボウシーブナ群集, イワボタンーシオジ群集)の植物群落に設置した植生保護柵25基において, 設置4年後に植物相を調査した.柵の中(3.7ha)で334種の維管束植物を確認した.その中には県の絶滅種, 絶滅危惧種など12種, および県新発見種1種が含まれていた.オオモミジガサーブナ群集は出現種の5.1%が希少種で他の2群落よりも希少種の出現率が高かった.対象地域の過去の植物相と比較すると, シカの採食圧下で一度消失したと考えられる希少種5種が出現し, 過去に未確認だった希少種も6種出現した.したがって, ニホンジカの採食圧が強い丹沢山地冷温帯において, 植生保護柵の設置は単に林床植生の保護だけでなく, 希少種の保護・回復にも有効な手段と考えられた.
  • 大澤 剛士, 赤坂 宗光
    保全生態学研究
    2009年 14 巻 1 号 37-43
    発行日: 2009/05/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    多年生草本植物オオハンゴンソウ(Rudbeckia laciniata L.)の地下部からの再生能力を実験的に評価し、併せて野外観察を行うことで、地下部からの引き抜きの駆除方法としての有効性を検討した。実験室内で、任意の大きさに切断処理を施した根塊を60日間栽培したところ、切片の重量が大きいほど地上部を再生する確率が高くなった。野外において毎年8月に開花したオオハンゴンソウを地下から抜き取ると、3年目には開花茎数が著しく減少した。しかし同時に、それまでほとんどみられなかった未開花茎が大量に確認された。未開花茎は種子由来と思われることから、オオハンゴンソウはシードバンクを形成していると推察された。以上から、複数年にわたり、可能な限り根を残さないように引き抜き続けることで、オオハンゴンソウを根絶できる可能性があると考えられた。しかし、抜き取りは非常にコストがかかるため、刈り取りなど、広範囲に対し低い労力で実行可能な方策との併用がもっとも現実的かつ有効であると考えられた。
  • 田村 淳, 勝山 輝男
    保全生態学研究
    2008年 13 巻 2 号 249-256
    発行日: 2008/11/30
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    神奈川県丹沢山地に分布する環境省絶滅危惧IA類のシダ植物であるヤシャイノデの保全に向けて、生育地における個体数と葉のサイズ、生育環境を調べた。過去に分布記録のある4箇所のうち2箇所でヤシャイノデの生育を確認し、個体数は2004年で計21個体、2006年で計18個体、2007年で計15個体と年々減少した。これらのうち胞子をつけた成熟個体はいずれの年も2個体のみであった。2006年におけるニホンジカの採食可能な範囲(採食可能域)とそうでないところ(不可能域)の個体数は採食可能域で11個体、不可能域で7個体であり、採食可能域で多かった。個体あたりの平均葉数は両者で差異がなかったものの、葉サイズは採食可能域で小さかった。また、葉の先端が欠け、シカに採食されたと思われる個体も採食可能域で多かった。周辺の林床植被率も採食可能域では不可能域よりも低く、スズタケも少なかった。以上のことから、丹沢山地のヤシャイノデは、総個体数および成熟個体数も少なく、シカの採食により成熟サイズに達することが阻害され、生育環境も悪化している可能性が示唆され、絶滅の危険性が高いと考えられた。ヤシャイノデの保全に向けて、ヤシャイノデを含めて周辺の林床植生をシカの採食から防護するための植生保護柵を設置することと、緊急避難的に増殖技術を確立することが急務である。
  • 大澤 剛士, 加藤 和紀, 辻本 明
    保全生態学研究
    2020年 25 巻 2 号 論文ID: 2007
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/31
    [早期公開] 公開日: 2020/11/10
    ジャーナル オープンアクセス

    一度侵入・定着してしまった外来生物を根絶、あるいは生態系等へ影響がほとんどなくなる水準まで低密度化することは、困難ではあるものの、科学的根拠に基づいた駆除方策を一定の強度をかけて継続的に実施することで、実現可能な目標になりうる。実際、近年では外来生物の根絶あるいは個体密度を著しく低下させることに成功したという報告も徐々に出てきている。神奈川県足柄下郡箱根町では、特定外来生物であるオオハンゴンソウの駆除活動を 10年以上にわたって継続した結果、駆除活動を開始した 2006年には町内各地に繁茂していた本種を、 2019年現在では発見が困難になるほどに減少させることに成功した。本稿は、箱根町におけるオオハンゴンソウ駆除活動の内容と駆除成果の記録に基づき、個体数が著しく減少するに至るまでの過程および、継続的な駆除活動が行われる上で重要と考えられる要因を議論することで、他地域における参考情報を提供することを目的とする。

  • 田村 淳, 入野 彰夫, 勝山 輝男, 青砥 航次, 奥津 昌哉
    保全生態学研究
    2011年 16 巻 2 号 195-203
    発行日: 2011/11/30
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル オープンアクセス
    ニホンジカにより退行した丹沢山地の冷温帯自然林において、植生保護柵(以下、柵)による神奈川県絶滅危惧種(以下、希少植物)の保護効果を評価するために、9地区62基で希少植物の有無と個体数を調べた。また、希少植物の出現に影響する要因を検討した。その結果、合計20種の希少植物を確認した。そのうちの15種は『神奈川県レッドデータ生物調査報告書2006』においてシカの採食を減少要因とする希少植物であった。一方、柵外では6種の希少植物の確認にとどまった。これらの結果から、丹沢山地の柵は希少植物の保護に効果を発揮していると考えられた。しかし、ノビネチドリなど10種は1地区1基の柵からのみ出現して、そのうち8種の個体数は10個体未満であった。このことから環境のゆらぎや人口学的確率性により地域絶滅する可能性もある。継続的な柵の維持管理と個体数のモニタリングが必要である。また、各地区の柵内で出現した希少植物の種数を目的変数として、柵数、柵面積、標高、その地区の希少植物フロラの種数を説明変数として単回帰分析したところ、希少植物の種数は希少植物フロラの種数と正の強い相関があった。この結果から、希少植物を保護ないし回復させるためには希少植物のホットスポットに柵を設置することが有効であり、希少植物の分布と位置情報を事前に押さえておくことが重要であると結論した。
  • 山根 正伸, 鈴木 透, 雨宮 有
    保全生態学研究
    論文ID: 2234
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/01/31
    ジャーナル オープンアクセス HTML 早期公開

    ブナハバチの葉食によるブナ高木の樹冠形状の変化を省力的にモニタリングするための技術開発の一環として、インターネット接続が困難な山岳地においてRTK非搭載のUAVで撮影した写真を用いて位置精度の良い3次元モデルとオルソ画像作成を可能とする空中写真の撮影方法とSfM処理の方法を検討した。UAVは丹沢山地の丹沢山と蛭ヶ岳の山頂一帯およそ20haの範囲において2021年と2022年の7月下旬から8月上旬の期間に、地上解像度を2cm/pixelに設定して地表面に対して概ね一定の高度で半自動で飛行させた。オーバーラップ率とサイドラップ率をそれぞれ80%以上と60%以上とした直下視往復平行写真と、カメラレンズを下向き前方20°あるいは30°に傾けオーバーラップ率とサイドラップ率をそれぞれ40%程度と30%程度とした斜め視往復写真を撮影した。準天頂衛星「みちびき」の補正信号を用いた仮想基準局と連動させた二周波GNSSを使用してPPP-RTK方式で測位したGCPと検証点をそれぞれ上空が開けた場所と登山道の階段やベンチなどの固定地物の一角に設定した。撮影した写真は、Metashape Professional(Agisoft社)により撮影方法と標定点使用の組み合わせ、SfM処理の品質を変えてカラーオルソ画像と高密度点群を作成し、樹冠の視認性と位置精度を比較した。直下視写真と斜め視写真を使用しGCP補正を組み合わせて高品質でSfM処理した場合に0.3m内外の空間座標精度があり、樹冠を識別して追跡可能な樹冠の欠損や枝の露出の視認性が良いカラーオルソ画像と3次元モデルが作成できた。この方法は、レンズキャリブレーションやGCPの配置などに課題は残されているが、単木レベルのモニタリングで経年的な比較を可能とすると考えられた。

  • *田村 淳
    日本森林学会大会発表データベース
    2017年 128 巻 T5-2
    発行日: 2017/05/26
    公開日: 2017/06/20
    会議録・要旨集 フリー

    シカの採食影響を強く受けてきた丹沢山地の高茎草本型林床のブナ林に植生保護柵(以下、柵)を設置して、16年後に林床植生の種組成と樹木稚樹の更新状況を調べて、林床植生と樹木の更新に及ぼす柵の効果を検証した。林床植被率と出現種数は柵内外で同程度であった。種レベルでみるとハルナユキザサやウバユリなどの高茎草本は柵内で有意に多く出現し、ヒメチドメやミズなどの小型草本は柵外で多かった。樹木稚樹では、柵内において樹高1m以上の稚樹が高木種では727本/ha、小高木種では10,200本/haあったのに対して、柵外では高木種と小高木種ともに樹高1m以上の稚樹は無かった。柵内で本数が多かったのはニシキウツギやミヤマイボタなどの小高木種であり、林冠構成種のブナの稚樹は53本/haであった。柵内における稚樹の平均樹高は高木種で1.1~3.7m、小高木種では1.5~4.2mであった。最大樹高は多くの樹種で2mを超えていた。以上のことから、柵内では小高木種を主体に後継稚樹群が成立しており、柵には多様な樹種と林床植生を再生する効果があると考えられた。しかし、シカの採食範囲の高さ約2mを超えて稚樹が成長するにはさらに柵を維持する必要がある。

  • *齋藤 央嗣
    日本森林学会大会発表データベース
    2016年 127 巻 G7
    発行日: 2016/07/08
    公開日: 2016/07/19
    会議録・要旨集 フリー
    丹沢山地では1980年代からオゾンを主因と推定されるブナ枯れやブナハバチによる被害、ニホンジカにより下層植生が衰退するなどブナ林の保全が課題となっている。そこで丹沢の代表的なブナ林である丹沢山堂平のブナ林に0.32haの長期試験地を1998年に設定し、毎木調査によりその森林の動態を調査している。設定後13年が経過した2010年に再調査を行ったところ、226本中、10%を超える23本が枯死等により消失し新規個体は1本もなかった。イヌシデ等の実生は発生するものの、ニホンジカにより採食、枯死していると推定された。調査した樹種を階層別に見ると、特に低木樹種が33%も減少した。アブラチャン、タンナサワフタギ等の萌芽更新する低木種の枯死率が高くなっており、萌芽のニホンジカの採食により個体を維持できないためと推定された。プロット内で優占するブナは、当初ブナハバチの採食があり13年間で6.4%にあたる5本が枯死した。低木種が急激に減少し、森林の階層構造が失われ、高木、亜高木と草本層のみの林に移行しつつあり、高木種であるブナも減少していることから、今後のブナ林の維持が懸念される。
  • *田村 淳, 谷脇 徹, 中西 のりこ, 井田 忠夫, 吉田 直哉
    日本森林学会大会発表データベース
    2015年 126 巻 P2B130
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/23
    会議録・要旨集 フリー
    神奈川県丹沢山地のブナ林では、オゾンや水分ストレス、ブナハバチの大発生の複合要因により上層木が衰退枯死し、シカの採食圧で林床植生が劣化している。そうしたブナ林の再生の可能性を評価するために、開空度と下層植生の異なるブナ林の5か所にシカの採食圧を排除した植生保護柵を設置して11試験区をつくり、4~7年にわたり開空度と散布種子量、樹高5cm以上の高木性樹木稚樹の種類と個体数を調べた。開空度と散布種子の関係では、開空度が高くなると散布種子の種数と種子数は少なくなった。柵設置後4年目の稚樹の個体数は、開空度が20%未満の試験区ではhaあたり400,000本以上あったが、開空度が20%以上の試験区では1,250本~73,000本であった。開空度が高い試験区では、高茎草本型林床よりもササ型林床で個体数は少なかった。一方、柵外では林床型によらずどの試験区も柵内よりも個体数は少なかった。以上のことから、開空度が低い試験区では天然更新によりブナ林を構成する高木林への回復の可能性は高いと考えられた。一方、開空度が高くササ型林床の試験区では高木林へ推移する可能性は低いと考えられた。天然更新による森林再生ではシカの排除とササの除去が必要である。
  • *谷脇 徹
    日本森林学会大会発表データベース
    2014年 125 巻 P2-198
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/16
    会議録・要旨集 フリー
    神奈川県の丹沢山地においてブナの葉を大規模に摂食するブナハバチの防除法として、粘着シートによる幼虫の大量捕獲が提案されている。2013年に丹沢山、檜洞丸および大室山で合計548本のブナ樹幹地際に幅20cmのロール状粘着シートを設置した。まず丹沢山において粘着面の区画ごとの捕獲数を計測し、ブナ1本あたり捕獲数の推定法を検討した。その結果、高い精度で省力的かつ簡易に推定するには、6行あるうちの下から3行目の8区画で捕獲数を計測すればよいことが分かった。現地作業および画像解析を省力化するため、写真を4方向から撮影し、1画像から2区画をサンプリングすることとした。この推定法により3地点の合計捕獲数はおよそ75万個体と推定された。樹冠に生息する幼虫数を卵数の調査結果と既存の密度推移データから推定したところ、捕獲数の割合は丹沢山で12%、檜洞丸で15%と評価された。防除効果は単年では現れにくいが、長期継続することで徐々に発揮される可能性があるとする従来の研究を支持する結果となった。
  • *成瀬 真理生, 指村 奈穂子, 田村 淳
    日本森林学会大会発表データベース
    2014年 125 巻 P2-093
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/16
    会議録・要旨集 フリー
    神奈川県では水源かん養や生物多様性の機能の高い森林を目指して、管理不足の私有林を水源林として確保し、間伐等森林施業を行っている。本研究では小仏地域の鳥類群集に及ぼす施業効果の検証として、間伐からの経過年数(間伐前、間伐後2年以内、間伐後3年以降)、林相(スギ、ヒノキ、広葉樹)による鳥類群集の違いを解析した。2013年8月から10月に50m方形区を19地点設置し、定点センサスを行った。その結果1時間当たりの出現種数と個体数は、間伐からの経過年数で区分すると、間伐前6種19羽、間伐後2年以内4種9羽、間伐後3年以降5種21羽となった。また、林相別ではスギ林4種10羽、ヒノキ林5種18羽、広葉樹林5種16羽となった。間伐後2年以内の出現種数と個体数が少なかった理由として、間伐の際に除伐をする場合もあり一時的に低木層が貧弱になったことが考えられる。林相別の出現種数は、一般的に広葉樹林の鳥類の種多様性が高いといわれているが、そのような結果は得られなかった。また、個体数はカラ類混群の通過量に影響することがわかった。本学会では2014年1月に既存の19地点を含む27地点で再調査を行った結果を加えて報告する。
  • *指村 奈穂子, 成瀬 真理生, 田村 淳
    日本森林学会大会発表データベース
    2014年 125 巻 P2-085
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/16
    会議録・要旨集 フリー
    神奈川県では水源かん養や生物多様性の機能の高い森林を目指して、管理不足の私有林を水源林として確保し、間伐等森林施業を行っている。この水源林のスギ林、ヒノキ林、広葉樹林において、間伐履歴の異なる林分に27か所の調査地を設置し、林床植生と立地環境を調査した。一般化線形モデルから、林床植生の種数は、林床合計被覆率(植被+リター)が高い林分や斜面上部で多く、林床植生の種多様度指数は、最近間伐した林分や斜面上部で大きい傾向が示された。正準対応分析では、スギ林は他の林分に比べて、谷に近く、林齢が高く、林床合計被覆率が大きい方向に序列化され。また間伐からの経過時間や斜面方位でも序列化された。林床における高木性樹種の定着状況は、間伐後の人工林ではヤマグワ、カラスザンショウ、ミズキなどの先駆的な鳥散布種が定着し、間伐から時間が経つと種数や個体数が増える傾向があった。神奈川県小仏地域の水源林では、間伐によって一時的に林床植生の種多様性が向上し、広葉樹が侵入、定着していることが明らかになった。
  • *齋藤 央嗣
    日本森林学会大会発表データベース
    2014年 125 巻 E12
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/16
    会議録・要旨集 フリー
    神奈川県では2007年に種子による無花粉スギの生産をはかるため、雄性不稔スギを母親、雄性不稔遺伝子をヘテロで持つ個体を父親とする雄性不稔スギ閉鎖系採種園を造成し、2010年より雄性不稔スギの発現の確認の検定を行った上で苗木の出荷を行っている。しかし雄性不稔の発現率は、期待値1/2に対して1/3~1/4にとどまっており、その改善が課題であった。また種子を生産する閉鎖系採種園内は、高温高湿であり、花粉の飛散量が想定よりも少なく、種子生産が十分な種子生産が得られず、期待される園外との飛散期のズレが不十分であった。そこで無花粉の発現率低下の原因の究明を進めたところ、父親木である個体で当該の不稔遺伝子を持たない個体があったため、その入れ替えを行った。また、閉鎖系採種園の導入時期を2月にずらすこと、扇風機の増強、花粉飛散終了後早期に施設開放することとした。その結果、雄性不稔スギの発現率が向上するとともに種子の生産量も向上した。
  • 田村 淳
    水利科学
    2013年 57 巻 4 号 52-66
    発行日: 2013/10/01
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル フリー
  • 石井 信夫
    森林野生動物研究会誌
    2020年 45 巻 23
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2023/05/19
    ジャーナル フリー
  • 齋藤 央嗣
    森林遺伝育種
    2020年 9 巻 2 号 89-92
    発行日: 2020/04/25
    公開日: 2020/04/25
    ジャーナル フリー
  • 齋藤 央嗣
    森林遺伝育種
    2017年 6 巻 4 号 182_1-182
    発行日: 2017/10/25
    公開日: 2020/04/22
    ジャーナル フリー
  • 齋藤 央嗣
    森林遺伝育種
    2022年 11 巻 2 号 54-58
    発行日: 2022/04/25
    公開日: 2022/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
  • 齋藤 央嗣
    森林遺伝育種
    2021年 10 巻 4 号 177-181
    発行日: 2021/10/25
    公開日: 2021/10/25
    ジャーナル オープンアクセス
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