近年,欧米諸国では動的な交通マネジメントとして可変式速度制限が用いられ,渋滞緩和や事故抑制効果が得られている.しかし,日本における可変式速度制限の効果については未だ明らかになっていない.可変式速度規制を渋滞緩和や事故抑制に資する動的な交通マネジメントのメニューと位置づけるためには,ドライバーが可変式を含む速度規制標識を認知し,且つ規制速度を遵守する必要がある.そこで本研究では,アンケート調査により,可変式速度規制標識の認知度や速度遵守率,及び速度遵守に影響を及ぼす心理要因について分析を行った.その結果,ドライバーの認知度と速度遵守率が定量的に示された.また,「利己的信念」,「規範意識」,「情報への意識」の 3 つの心理要因がドライバーの規制速度遵守意識に影響を及ぼしている可能性が示唆された.
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